大飯原発3・4号機運転差し止め訴訟福井地裁判決に関する声明

5月21日、福井地方裁判所は、関西電力に対して大飯原発3・4号機について「運転してはならない」と運転差し止めを命じる判決を言い渡した。
この歴史的勝利判決は、裁判を闘った「福井から原発を止める裁判の会」原告のみなさんの闘いの成果であるとともに、福島第一原発事故で被災した全ての被害者、並びに原発立地自治体を含む反原発の運動を粘り強く継続して闘い続けてきた全ての人々の力によって勝ち取られた希望の判決となった。

判決は、「生存を基礎とする人格権が公法、私法を問わず、全ての法分野において、最高の価値を持つ」指針であり憲法上の権利(幸福追求権13条・生存権25条)であるとした。
そして、人格権は、「人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を見出すことはできない」「原発は社会的に重要だが、電気を生み出す一手段にすぎず、人格権より劣位にある」と断じ、人格権に基づき原発再稼動差し止めを求める権利を有することを明示した。

原発・核と人類は共存し得ない。
原発稼働は、命と健康、幸せに生きる権利を侵害する。
私たちは、福島原発事故直後から、「命を守ろう」「原発反対」と関西電力前での行動を開始した。
首相官邸前には毎週金曜日に全国から抗議の人々が集まっている。
経産省前テントひろばは継続し、経団連前でも抗議行動が取り組まれた。
人々は結びつき全国で行動を広げ続けている。
「再稼動反対」この当然の要求に、「判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい」と、司法が責任ある立場を示した。

また判決はコストの問題にふれ、「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論」を否定。
「たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」とした。
安倍政権がグローバル資本の儲けのために原発再稼働・輸出を推進する中にあって、1%のグローバル資本の儲けではなく、99%の私たちの命と生活こそ大切である。“金より命”なのだといい切っている。

判決は、「地震が起きたときに原子炉を冷却する機能などに欠陥がある」と指摘し、「具体的な危険性があれば、運転が差し止められるのは当然」としている。
250キロ圏住民の原発運転差し止めの権利も認めた。
全ての住民が、電力会社に原発再稼動反対、廃炉を迫ることができる。
私たちは当事者である。

関西電力に対し、「判決守れ」「直ちに控訴を取り下げよ」の声をあげ行動しよう。
大飯原発をはじめ全国の原発を廃炉にしよう。
また、250キロ圏内全ての自治体首長に対して、「判決を重く受け止め再稼働を容認するな。
停止・廃炉の態度を明らかにせよ」と迫ろう。

現在、原発事故・放射能汚染による健康被害が拡大している。
5月19日、福島県健康管理調査の新たなデータが公表され、福島県の子どもたちに89人の甲状腺がんが見つかった。
通常100万人に1人といわれる小児甲状腺がんであるが、約28万7千人中89人という発生率は、国立がん研究センターのデータと比較しても40倍を超えるものである。
明らかに異常多発(アウトブレイク)だ。
しかし、国や福島県、東電も「放射能の影響ではない」と因果関係を否定し何の対策もとってはいない。
現実の被害を認めさせ、生存権・幸福追求権を保障させなければならない。
緊急に、国と東電の責任を明らかにし、「どこでも誰でも無料の放射能健康診断・治療」を制度化させることが求められている。

私たちは、大飯原発差し止め訴訟の勝利判決を力に、原発再稼動阻止・廃炉の実現のため進む。
『被ばくしない権利』を打ち立て、放射能健康診断・医療補償を実現するために、全ての人々と手を結び闘う。
安倍政権とグローバル資本の進める、新自由主義路線・原発推進政策を根本から変革していこう。

2014年5月21日

平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)

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